悠悠自適なチネカルライフ

映画、音楽、美術鑑賞とあれこれ

映画『TAR/ター』を二回観ても興奮がまだ冷めない件

こんにちは~。KEYです。ブログは全然更新していないけど、twitterツイキャスの方では楽しく過ごしております。良かったら、そちらの方もフォローよろしくお願いします。

さて、絶賛今公開中の映画『TAR/ター』は皆さんご覧になられたでしょうか?

ケイト・ブランシェットが演じる最高権力を持った指揮者が、地位を利用して様々なハラスメントを行っていた。という話なのですが、音楽的な側面を知らない自分でもとても楽しめたので、「指揮者の話か~。。。」とか思わずに、観てない方が居たら是非観に行ってほしいです。

ちなみに個人的に、2023年映画ベストトップです。笑

以下のレビューは、ネタバレを含みます。

あらすじ

リディア・ターはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団における女性初の首席指揮者であり、作曲家としても指揮者としても当代随一だと評価されていた。しかし、リディアはその地位によって得た権力を使い、若い女性音楽家に肉体関係を迫るなどのハラスメントを行っていた。リディアの妻、シャロンをはじめ周囲の人物は見て見ぬふりをしていたが、被害者の1人が自殺したことをきっかけに、リディアの蛮行を告発しようという動きが出てきた。キャリアの危機を前にして、リディアは徐々に精神の平衡を失い始める。

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感想

リディア・ターについて、彼女はなぜ転落してしまったか。

まず、物語の起点となっているのが、ターと元生徒のクリスタとの関係です。

序盤から元生徒とのトラブルをほのめかす会話があり、それが徐々に劇中登場しないクリスタという生徒との関係だったことが分かっていきます。

ターとクリスタの関係性

時系列順に書いていきたいと思います。

物語中盤で、マネージャーのフランチェスカを通して、クリスタが自殺してしまったことがターに知らされます。

ここのシーン。フランチェスカが泣きながらターに「実は来たのは鍵だけのことじゃなくて。。抱きしめてほしいの。。」と言うのに対して、ターは「ここは仕事部屋よ。」と言います。

自分はこのシーンを観て、寝室だったらOKなん?つまり、そういうこと?と思ったのですが、、

冒頭の飛行機の中でのメールのシーンは、恐らくフランチェスカ視点によるもので、話し相手から「まだ愛しているのね」と言われることからも、フランチェスカとターが恋愛関係にあることは間違いなさそうです。

そして、同シーン(自殺してしまったことがわかる)で、ター、フランチェスカ、クリスタの三人で旅行に行ったエピソードも出てきて、三人が仲が良かったことがわかります。

「あの頃はまだ彼女(クリスタ)は要求してこなかった。」

とターは言います。

その後、ターは自分が各音楽団体に送った、「クリスタが情緒不安定だから指揮者として向いていない」というメールを削除していきます。

このシーン、本当に一瞬なので自分はあれは受信リストで、ターがメールを受け取った側だと思っていたのですが、逆なんですよね。

つまり、ことの顛末はこうです。非常にグロテスクな話なのですが。。

クリスタとフランチェスカはターの生徒で、三人で旅行に行くほど仲が良かった。

しかし、フランチェスカはターと(恐らく)肉体関係、恋人としての関係を持つようになり、ターのマネージャーとしてのポジションを獲得。後のシーンでは、ターから副指揮者になる未来までほのめかされています。

一方、クリスタはターの要求に応じなかった。だから、他のオーケストラでも指揮者になる夢を絶たれてしまったのです。

しかも、これは余談ですが、ターは映画で描かれている物語以前に、性的思考のカミングアウトをしたり、女性限定の講義を開いているのですが、三人の関係性を知ってから考えると、出会い目的じゃないの?と思ってしまいます。笑

とにかく、本作でターの人間性を語る上で、上に記した通り、権力を利用して未来の可能性を持つ若き指揮者(クリスタ)を自殺に追い込んだ事実には目を向けなければばりません。

はい。笑

急ですが今日はこれくらいにして、続きは後日また書けたらなと思います。笑

またね。