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【2019年 春夏 美術鑑賞記録】『クリムト展 ウィーンと日本 1900』に行ってきたよ!

こんにちは、KI (@kei00213)です。

先週末に二泊二日で東京に遠征して、都内で開催中の気になっていた美術展巡りをしたので、その感想を書いていきたいと思います。

クリムト展  ウィーンと日本 1900】

【公式】クリムト展 ウィーンと日本1900

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鑑賞に向けて

まず1日目は見出しの通り、『クリムト展  ウィーンと日本 1900』に行きました。上野駅公園口より徒歩7分の好立地が魅力的な東京都美術館で開催中(7/10迄)。当日はグルメイベントが開催されていたりして、学生や家族連れで賑わっていました。

10時過ぎの入場時の待ち時間は無く、会場内の人はやや多め。この時点では観ていてストレスを感じない程度です。鑑賞の所要時間は(音声ガイド、単眼鏡を使用して)3〜4時間くらいで、自分は美術展に行くこと自体が久しぶりだったので、予想の倍くらい時間がかかって少し驚きました。

クリムト展の4つの見どころ

さて、早速ですが、ここからは自分が行って良かったと思える、見所ポイントを紹介していきます。

1.在学時から垣間見る圧倒的な画力

まず1つ目は、クリムトの圧倒的な画力にあります。金色の絵の具をふんだんに使った「黄金様式」は有名ですが、入場して直ぐに見えたのは、かなりシンプルに少女の横顔を描いた、『レース襟をつけた少女の肖像』や男性裸体像の絵です。在学時の課題だったのか、親友のフランツ・マッチュと一緒に同じ題材の絵を描いたりしていますが、クリムトの方が細部までしっかり描いているように見えます。すっごい当たり前かもしれないんですけど、こういう基礎的な画力があるからこそ、独創的な絵も美しく描けるんだなと、この時気づきました。(絵心のない自分には到底無理w

2.家族との別れと、エミーリエ・フレーゲとの出会い

2つ目の家族との別れと、エミーリエ・フレーゲとの出会いというのは、美術展の第3章で語られます。

父と弟が急死してから、クリムトは一人で残された母と姉妹、弟の幼い娘の面倒を見なければならず、そんな中クリムトが亡くなるまでもっとも親しかった女性が、弟の未亡人の妹、エミーリエ・フレーゲでした。

結局、クリムトは亡くなるまで独身のまま、母と姉妹と暮らします。

エミーリエとクリムトプラトニックな関係にあったことは予習して知っていたんですが、近年公開された手紙には、偽名を使って書いた、かなり踏み込んだ内容のものがあるらしく、今回の展覧会では、翼の生えたハートに沢山の矢が刺さった挿絵入りの手紙が展示されてました。それを知った上で、二人が並んだ写真を見るとなんだか微笑ましく、親近感すら感じました。

大切な人の不幸続きで心身ともに疲れ切っている時に助けてくれる人がいて、もしそれが亡くなった弟の義妹であっても、すがりたくなったり、愛し愛されたいと思うのは自然なことですよね。。

3.『ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製)』

3つ目は、美術展の第5章でベートーヴェンの第九と共に鑑賞できる『ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製)』です!

これは、凄かった。。部屋に入ってコの字型に広がる絵を見て鳥肌が立ちました。

描いてる内容は実はよく理解していない(笑)のですが、調べれば解説が出てくると思うので読むのも良いですし、とにかく迫力がある絵なので、難しいことは考えずに目で見て楽しむ方を僕はお勧めします。ちなみに第九やその他の音楽は、音声ガイドをレンタルした方が大音量で聴けるから楽しいですよ。また解説も詳しい内容があったりするので、(ただ図録や他のガイドブックを既に読んでいたり、読む予定がある方はあまり必要ない気もします。)金銭的に余裕がある方はお勧めです。

4.『女の三世代』

4つ目は、今回が初来日となる『女の三世代です!

生と死の円環に関心を寄せていたクリムトが、人間の一生を幼年期、青年期、老年期の3段階に分けて寓意(ぐうい)的に描いた。

今作は、クリムトの数ある「黄金様式」の内の傑作の一つだと言われています。

また、今作を展示している美術展の最終章である第8章では、「生命の円環」という同テーマで描いた『哲学』『医学』『法学』の三部作(残念ながら三作品共に焼失してしまい、『医学』習作『法学』『哲学』写真での展示となっています。)や、クリムトの亡き息子オットー・ツィンマーマンの遺影などが展示されており、身近な人物の死を何度も経験したクリムトにとって、「生命の円環」というのがいかに個人的な側面を持つテーマだったかがわかります。

まとめ

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!

他にも日本美術の影響や、スクエア型の風景画など書きたいことは色々あったのですが、今回は4つに絞ってみました。クリムト展  ウィーンと日本 1900』は、過去最多クリムトの油彩画25点を展示しているということで、今までで最もクリムトという画家にフォーカスしている美術展だと思います。「名前は聞いたことあるかも…」なんて方から、「クリムトの大ファンです!」って方まで幅広く楽しめる美術展だと思うので、迷ってる方はぜひ足を運んでみてください!では、また!