悠悠自適なチネカルライフ

映画、音楽、美術鑑賞とあれこれ

映画『荒野にて』を観賞。

こんにちは、KI( @kei00213) です。今日は公開中の新作映画『荒野にて』を、個人的な感想を交えながら紹介していきたいと思います。(※このブログはネタバレありのブログではありませんが、前情報なしで観たい方は、閲覧をご遠慮ください。)

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あらすじ

父親のレイと二人で暮らしていたチャーリーだったが、父親の大怪我をきっかけに競走馬の飼育員として働きながら生活するようになる。

仕事で街を離れている間に父が亡くなり、親しく世話をしていた競走馬のピートも殺処分されることを知り、馬のピートと共に自分の居場所を探す旅に出る。

感想

素晴らしいの一言に尽きます!

まずトラヴィス・フィメル演じる主人公の父親レイが、非常にだらしなく自分中心な人間なんですが、息子に接する態度は父親らしく、唯一の家族だからか愛情を感じました。

しかし親子間に愛情を感じたのは、言うまでもなく、チャーリー・プラマー演じる主人公チャーリーが父親を信頼しきっているからに違いありません。

離婚して父と二人、各地を転々と回り、学校にも通えない。そんな貧しく平凡な生活でも、感動する時に感動して、嬉しい時に「ありがとう」と言うのに、謝らないでいいのに「ごめん」と言ったり、心配しないでいいところで心配する。辛いはずの現実を受け入れてしまっているけど、心の深部には子供らしい純粋さがあり、父親の死と親友の馬ピートの死、そしてラストで感情が溢れ出す時、長く厳しい荒野の旅で見た一瞬一瞬の美しい景色全てを思い出して、スタッフロールが流れてる最中も涙が止まりませんでした。

強がって誰にも弱音を吐かないでいたけど、ずっと母親の存在が欲しかったんだよね。

泣きながら不安を打ち明ける姿はやっと素直な彼が見えて、その時は子供だと思ったのに、ランニングしてふと後ろを振り返る彼の背中は大きくて、その先の道も明るく見えた。